九州の中でも最も人口が多く、太宰府や糸島などさまざまな観光地を有している福岡県ですが、素敵な現代名建築も沢山あります。ここでは福岡を訪れた際に行くべき現代名建築を建築士と共に紹介します。日本を代表する建築家達が設計した建物で、豊かな空間体験をお楽しみください。
現代建築とは
現代建築とは1960年代末期から現在までに建てられた建築を指し、建築を通じて自然や外部環境との調和をはかる特徴があります。日本の代表的な建築家には安藤忠雄や牧文彦、磯崎新などがあげられ、世界の建築界にも多くの影響を与えています。
福岡にあるおすすめの現代名建築10選【新しい年代順】
福岡にあるおすすめの現代名建築を、新しい年代順で10箇所紹介します。
それぞれの建築士や特徴を紹介しているので、ぜひご覧ください。
九州芸文館
隈研吾設計の築後広域公園区域内にある九州芸文館は自然との融合を測った芸術文化交流施設です。全国でも珍しい公園内に新幹線が通るという特殊な立地条件から利便性を活かした誘客やイベントも行っています。
本館と本館の両脇に位置するアネックス館はあえて建物を切り離し3棟とすることで棟間の移動を促し、屋外空間も体感するという工夫がなされています。
【建築概要】
用途 | 研修施設 展示施設 |
住所 | 福岡県筑後市大字津島1131 |
竣工 | 2012年 |
設計 | 隈研吾建築都市設計事務所 |
九州歴史資料館
九州歴史資料館では、日本の西に位置する九州の対外交流として築いてきた歴史を調査・研究し公開しています。
建物の構成部材として建物内外にガラスを多く採用し、普段は非公開とする学芸員の調査・研究をする姿を公開することで、来館者への文化財保護や理解・関心を高めるような設計意図があります。
【建築概要】
用途 | 博物館 |
住所 | 福岡県小郡市三沢5208-3 |
竣工 | 2009年 |
設計 | 久米設計・三島設計・吉田建築事務所 |
福岡市アイランドシティ中央公園中核施設ぐりんぐりん
福岡アイランドシティという人工島に計画された、温室・フリースペース・会議室などの施設です。
建物は3つのブロックに分かれ、屋根が大地の隆起をイメージしたシェル構造により繋がっています。
「ぐりんぐりん」という名前は緑化した屋上へ、それぞれのブロックから回遊できることやブロックごとの建物の複雑な交わり方などから名付けられています。
【建築概要】
用途 | 温室、その他 |
住所 | 福岡県福岡市東区香椎浜3丁目 |
竣工 | 2005年 |
設計 | 伊東豊雄建築設計事務所 |
九州国立博物館
日本に存在する唯一の国立歴史系博物館です。設計した菊竹清訓は福岡県出身で、建物は大宰府の豊かな緑と調和するためのさまざまな工夫がなされています。
特徴的な曲線の屋根形状は背後の山並みと自然に並ぶよう設計され、ガラス張りの壁面は周辺の緑を反射によりガラスに映りこませるようダブルスキンを採用し周辺環境に馴染むよう計画されました。建物内部は外観のガラスと変わり、九州各地から集めた木材を使用する事で和を意識した空間となっています。
【建築概要】
用途 | 博物館 |
住所 | 福岡県太宰府石坂4-7-2 |
竣工 | 2003年 |
設計 | 菊竹清訓 |
アクロス福岡
アクロス福岡は、国際会議場やコンサートホールを有する公共施設と、レストランやショップなどの民間施設が複合した公民複合施設です。
設計者のエミリオ・アンバースは日本の公園やオープンスペースの少なさへの訴えとして、階段状にセットバックしていく大屋根にステップガーデンを計画しました。敷地前面の天神公園から続く緑化を行い、豊かな街づくりへも寄与しています。
【建築概要】
用途 | 公民複合施設 |
住所 | 福岡県福岡市中央区天神1-1-1 |
竣工 | 1995年 |
設計 | エミリオ・アンバース 日本設計 竹中工務店 |
北九州国際会議場
北九州国際会議場は、国際コンベンションゾーンの中核施設でカラフルな色遣いが特徴的な建物です。
船のブリッジと大波をイメージした外観をしており、壁面のガラスは建物内部に光を多く取り込み豊かな空間を形成しています。大波のイメージは建物内部の天井にも採用され、コンクリートシェルによる曲線天井が広がっています。
【建築概要】
用途 | 会議場 イベントホール 事務所 |
住所 | 福岡県北九州市小倉北区浅野3-9-30 |
竣工 | 1990年 |
設計 | 磯崎新アトリエ |
関門海峡ミュージアム
関門海峡ミュージアムは関門海峡を一望できる門司港沿いに位置する体験型博物館で、建物の内陸側と海峡側はそれぞれ異なる要素で構成されています。
海峡側は中央にアトリウムがあるボトルシップと呼ばれるガラスの展示空間で、ガラス面に沿って展示空間が広がっています。内陸側はレトロボックスと呼ばれるアールデコ調の建築で、明治から栄えた関門海峡の過去を表す内部空間が広がっています。
【建築概要】
用途 | 展示施設 |
住所 | 福岡県北九州市門司区西海岸1-3-3 |
竣工 | 1990年 |
設計 | 仙田満 |
福岡市美術館
建物の外観には常滑焼の窯で焼かれた陶磁器のタイルが採用されており、竣工から年月が経った今でも綺麗な赤茶色を放っています。建物内部には広いエスプラナードと呼ばれる広場が展示室までの長い通路を形成しており、来館者が芸術体験を準備をする空間が計画されています。
2019年のリニューアル工事により新しいアプローチが設けられ、前面の大濠公園からの誘客を強化しました。
【建築概要】
用途 | 美術館 |
住所 | 福岡県福岡市中央区大濠公園 |
竣工 | 1979年 |
設計 | 前川國男建築設計事務所 |
他 | 1981年 第22回BCS賞(建築業協会賞)受賞 |
福岡銀行本店
設計の黒川紀章は銀行という堅苦しいイメージを払拭すべく、建物の1/3をピロティ空間として街へ開けた屋外広場を計画しました。屋外広場ではイベントなどが行われ、市民に親しまれています。
【建築概要】
用途 | 専用事務所 |
住所 | 福岡県福岡市中央区天神2-13-1 |
竣工 | 1975年 |
設計 | 黒川紀章建築・都市設計事務所 |
北九州市美術館
グリッドを意識して建てられた建物は飛び出す2つの筒が特徴的で「丘の上の双眼鏡」という愛称で親しまれており、館内のカフェからも海や市街地を見渡すことが出来ます。エントランスはシンメトリーな空間が美しく、映画などのロケ地としてもよく使われています。
【建築概要】
用途 | 美術館 |
住所 | 福岡県北九州市戸畑区西鞘ヶ谷21-1 |
竣工 | 1974年 |
設計 | 磯崎新アトリエ+環境建築 |
他 | 1998年公共建築百選 2006年 デスノート美術館シーン ロケ地 2012年 図書館戦争 ロケ地 |
福岡にある現代名建築を訪れて素敵な時間を過ごそう
今回は次の現代名建築を新しい年代順に紹介しました。
どの建築も素敵で普段とひと味違う空間が広がっています。
福岡県を訪れた際にはぜひ現代名建築に足を運んでみてください!
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